ストレスの多い現代社会では、身体の健康だけでなく、心の健康「メンタルヘルス」を保つことも求められます。しかし、身体とは異なり、目に見えないメンタルヘルス不調に気付くためには、正しい知識が必要です。こちらではメンタルヘルス不調と三つの予防についてご紹介します。

メンタルヘルス不調については、厚生労働省が発表した「労働者の心の健康保持増進のための指針」で次のように定義されています。

“精神及び行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活及び生活の質に影響を与える可能性のある精神的及び行動上の問題を幅広く含むものをいう”

つまり、実際に心の病気と診断されたり、自殺などの行動に出ていなくても、心が不安定になるようなストレスや不安を抱えていればメンタルヘルスの不調をきたしていると言えます。

メンタルヘルス不調といっても、症状は様々です。病名のつけ方においても、臓器の種類や部位にって分類される身体の病気の場合とは考え方が異なります。メンタルヘルス不調の病名は、心理的ストレスや精神疾患など、主に脳の働きの変化による感情や行動で分類されています。ここでは代表的な病名や症状を見てみましょう。

• うつ病…気分が沈んでいる、憂鬱な気分といった状態が長時間続く
• 躁うつ病…躁状態とうつ状態といった両極端な状態を繰り返す
• 依存症…アルコールや薬物、ギャンブルなどやめようと思っても、我慢できずに習慣化してしまう症状
• 睡眠障害…不眠や寝付きが悪いなど、睡眠に何らかの問題がある状態
• 摂食障害…食事をほとんどしない拒食症、極端に大量の食べ物をとる過食症
• 適応障害…ストレスにうまく適応できなくなり、社会的機能に障害が生じる状態
• 統合失調症…幻覚や妄想など、脳内の精神機能と現実との接触がうまく働いていない状態
• 解離性障害…記憶や感情などが一時的に喪失した状態、同一人物の中で複数の人格が交代で現れる
• 強迫性障害…極端に不安やこだわりが強い状態
• 認知症…記憶や思考能力が低下していく障害
• パーソナリティ障害…他の人と比べて、認知や行動の特性に著しく偏りのある症状
• パニック障害…突然理由もなく激しい不安に見舞われ、息切れや吐き気、めまいや震えといった発作に襲われる症状
• PTSD…強い恐怖やショック体験の記憶が心のトラウマとして残り、時間が経っても不安や緊張が続く状態
• てんかん…意識障害やけいれんなど、発作を繰り返す脳の疾患

株式会社ホワイトスターラボでは、上記のような職場におけるメンタルヘルス不調にお悩みの企業様を対象に、メンタルヘルスケアの社員研修を実施しています。お気軽にお問い合わせください。

うつ病や統合失調症などの精神障害を引き起こすと、回復までに長い時間を要します。そのため、病気になってから治療するだけでなく、次の三段階で適切な予防に取り組むことも重要です。