経営者は、従業員に前向きな気持ちで業務に取り組んでほしいものです。しかし、様々な理由からやる気を失ってしまう従業員も少なくありません。従業員個人の問題と決めつけず、やる気が減退した理由を探って対処できれば、企業全体の働きやすさにつながることもあります。

今回は従業員のやる気が起きない理由についてご紹介します。

人間関係でのトラブルはやる気を下げてしまう大きな要因です。

パワハラやセクハラなどの嫌がらせがあると、被害者本人に苦痛を与えるだけでなく、周囲の意欲低下にもつながります。また、嫌がらせを受けるのが辛いために、率直な意見が出なくなったり、トラブルやミスに気が付いても見て見ぬふりをするリスクも生まれます。

その他にも、一方的な指示や連絡ばかりで相互にコミュニケーションがない場合も、やる気を持って働くことは難しくなります。

人は「自分は認められている」と感じた時に、やる気を持つことができます。

そのため、どれだけ精一杯頑張っても上司や同僚に評価されなかったり、積極的に意見を述べても聞いてもらえないということが繰り返されると、従業員は「頑張っても意味がない」と感じてしまいます。このような体験が続くと、次第に主体的な行動がなくなり受け身になっていきます。

従業員一人ひとりの取り組みに細やかに目を配り、成果や努力をしっかりと評価していくことが、モチベーションの維持に大切です。

単調に業務を繰り返していると、やりがいが感じられずやる気を維持することは難しくなります。

やる気を高めるには、今までよりも少し上の目標に挑戦し続けることが大切です。従業員それぞれが考えているキャリアについて確認し、そこにたどり着くまでのステップを具体的に設けることで、「自分の成長のため」とやる気を持って働くことができます。

また、従業員の働きぶりを観察する中で、得意と思われる業務に関してはより高い水準の業務を任せるなど、成長へ導く機会を提供することも大切です。